|
|

「荒城の月」で知られる仙台城。青葉山の断崖に築かれた山城にめぐらされた石垣は長い年月の風雨に晒され、修復が必要とされていました。2001年の仙台開府400年を前に1997年から仙台市は、この石垣修復工事に着手。すると、現存の石垣裏から第2期そして第1期の古い石垣が出土。特に第2期(およそ350年前=2番目に古い)は高度な排水施設をもち「近世(江戸)土木技術の博物館」とか「石垣の博物館」と呼ぶにふさわしい遺構と評価されています。現在仙台市ではこれらを残すか、埋め戻してその上に新しく『艮櫓』を建築し仙台観光の目玉にするかということが問題になっています。仙台城石垣の土木技術はこんなに古いものなのに、非常に高度な技術があったことを改めて再認識させられる発見でした。


1972年ユネスコで採択された「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約」に基づき、1994年「富士山を世界遺産に」という膨大な署名が集められました。しかし、ユネスコが様々な条件を審査した結果、富士山の登録は却下されてしまいました。その理由の一つとして、『ゴミの山』『ふん尿の山』というよろしくない評価を頂いてしまったのです。毎年30万人を越す登山者(観光客も)でにぎわうお山。そのゴミ、その排泄物の量は想像を絶するものです。こうした問題への対策がようやく叫ばれはじめています。「ゴミ、うんこ持ち帰り」運動の展開。そして今年、バイオトイレがようやく導入されることになったのです。現代日本の土木、上下水道技術をもってすれば、いつか必ず本当に美しい富士山を復活させることができるのではないでしょうか。


日本の豪雪地帯、主に日本海側地方では古くから「克雪」が課題になっていました。雪を克服しようという試みでしたが、最近ではこれが「活雪」に変わってきており、つまり雪を活かそうという方向になってきたのです。そうした中で一つの決定的な回答となる方法が、山形県の小さな町で開発されました。
冬期。降って降って降り積もる雪。この雪を貯蔵して夏に使えないか。古くから日本には「氷室」(冬の氷を貯蔵する倉)がありました。これを雪で大規模にやってみよう。その貯蔵雪を夏の冷房に使えないかというものでした。こうして発明されたのが舟形町の「雪冷房システム」。世界初のシステムでした。現在このシステムは医療施設、老人ホーム、マンションの全館冷房システム等に応用。室内の空気を貯蔵庫の雪に通して循環させると、室内の有害物質が浄化され、冷却された新鮮な空気が戻ってくるため特に小児医療施設での有効利用が注目されています。このシステムは当初から農産物の貯蔵に有利(米、穀類、果物)であるため経済産業省のバックアップを得て各地で大規模な穀物倉庫が建設されはじめています。


牡蠣は海産物。この海産物を健やかに育てるために「山に木を植えよう」と立ち上がった漁師たちがいます。宮城県の北東部、南三陸にある気仙沼唐桑半島の人々でした。その中心人物が畠山重篤さん。フランスの牡蠣養殖地を視察し、海産物の良好な育成には陸上の植物、森の樹木が大きく影響しているということに気付きました。
ここから北海道大学の先生と共同研究がはじまりました。山に降った雨水は、森林がつくった分厚い腐葉土をくぐり抜け地下水に。やがて湧き出し川となり海へ大量の水を運ぶ。けれども山に木々が少なく腐葉土の堆積が薄いと、雨そのものが表土を削り直接川に流れ出すだけなのです。山に樹があり森が健康なら、植物プランクトンを含む水を海に届けてくれます。この水が牡蠣を育てるのです。こうして山に木を植える会=「森は海の恋人」の運動がはじまり、すでに13年が経とうとしています。


流行に敏感な女性はもう知っているかも知れません。海水や海藻で美顔、美肌をする美容法のことをタラソテラピーといいます。ところが本来のタラソテラピーとは、もっと広義の「海水、海洋」治療法のことをいいます。1876年、フランス人医師ラ・ボナディエール博士によって提唱されたもの。「海水、海藻、海洋性気候のもつ医学的治療効果を目的とする自然治療法」が本来の意味です。
日本にも昔、この発想に近い温海水浴や海水温泉の湯治があったそうです。タラソテラピーを目的とした温泉は、香川県津田の「クアタラソさぬき津田」が早くから開湯した場所として知られています。アトピーなど皮膚疾患、ぜんそくなど呼吸器、循環器疾患に有効であることが分かり、ここ数年で美容分野も含め成長分野として注目を集めて来ています。宮城県でも七ヶ浜町の町立体育館に「うみゆあみ」として大きなクアタラソ温泉が導入されました。実はこうした施設で最も大切なのは、海水を汲み上げ、パイプで輸送し、湯を沸かし循環させる施設や設備なのです。

|
|